「せっかく内定が決まったと思ったら妊娠が発覚」
「内定を取り消されてしまうのだろうか?」
結論を言いますと就職転職前に妊娠が発覚した場合、内定が取り消される可能性があります。
「冗談じゃないわよ!」と言いたくなる気持ちもわかりますが、会社というのは人手不足になってるから新しく採用するわけです。
それなのに「妊娠して働けない」では困りますよね? なので法律上、内定取り消しは違反になりません。
ただ大手企業に採用された場合、会社側に余裕があるため、妊娠が発覚しても内定取り消しにならなかったり、転職してすぐに育児休業を取れることもあります。
このあたりケースバイケースになってきます。そこで今回は転職活動中に妊娠が発覚した、30代女性Iさんの体験談をご紹介します。
もくじ
30代女性 Iさんの体験談
【 地域 】関東地方
【業種・職業】エステサロン
【仕事内容 】痩身エステのマッサージ(ボディ、フェイス)
【 年収 】600万円
【ボーナス 】150万円
【残業時間 】月80時間
【 休日 】月8~9日
わたしは首都圏に数店舗かまえる、エステサロンで働いていました。
その会社は完全実力主義で、20代前半でも技術と営業が上手ければ店長になる人もいたくらいです。
研修期間には「今まで何をしてきたの?」とパワハラ発言をされる始末で、なんでそこまで言われなくてはいけないのかと、毎晩家に帰って悔し涙を流しました。
でもそれよりも嫌だったのは、しばらくして店の売上を担ってくると、えらそうにしていた上司が手のひらを返したように、わたしのご機嫌を取ってくることでした。
就業時間は9~21時で、求人票での募集要項では8時間労働として募集をかけているのに、実質の労働時間が長いため、研修期間中に辞めていった人が労働基準局にかけあったようです。
それからタイムカードを切るように変わり(8時間労働の体で)、その後もふつうに働くので、勤務時間はなにも変わっていません。
有給休暇が取れない
体調不良の時もちょっとやそっとでは休めません。 「熱があって出て来い!」という体育会系の社風でした。
吐き気があって調子が悪かったとき、電車内で気持ち悪くなり、出勤途中に倒れてしまった経験があります。
駅の乗務員室からそのことを電話した時ですら、「落ち着いたら出てくるよう」に言われ有給休暇は取れませんでした。
そのとき「この会社は鬼畜だな」と思いました。結局その日は、病院で点滴を打ってから出社しました。なので有給を取った記憶がありません。
転職活動をスタート
女性にしては年収は高い方だと思いますが、勤務時間が長くプライベートの時間が少ないのと、体調が悪いときでも有給休暇が取れないのが不満でした。
20代のうちは病気になることも少なかったけど、30代になり体力の衰えを考えると先が心配になってきます。
将来のことを考えると拘束時間が少なく、病気のときくらい有給休暇で休ましてくれる会社の方が良いと思ったので転職を決意しました。
年収は多少下がっても良いので、残業時間が少なく、有給休暇が取れそうな会社を狙って職探しを始めます。
内定後に妊娠が発覚
4ヶ月の転職活動の末、新しい会社への内定が決まり「これでブラック企業から逃れられる」と思っていた矢先、妊娠が発覚しました。
内定が決まった時点で妊娠3ヶ月だったので、いまの会社での引き続きが1~2ヶ月かかるとすると、入社した頃には妊娠4~5ヶ月になっています。
産休は出産予定の6週間前から取れることを考えると、入社して半年もしないうちに休むことになります。
転職先の会社に黙って入社しても良かったのですが、あとで文句を言われるのもイヤだったので、転職予定の会社に連絡をすると内定を取り消されました。
転職はあきらめて専業主婦を選ぶ
転職エージェントを利用してる場合、コンサルタントが企業の間に入って交渉してくれるそうですが、私の場合はエージェントは利用していませんでした。
内定先の企業にゴネても良かったのですが、旦那が「子育てもあるし転職はあきらめたら?」と言ってくれたので、将来のことを考えて専業主婦になることにしました。
あの時、妊娠中であることを黙って入社したとしても、転職先の上司に「なんでもっと早く言わなかったのか!」と怒られること間違いなしだったと思います。
仮にゴネて内定取り消しを、取り下げてもらうとしても、トラブルメーカーとして入社することになるので、嫌がらせを受けたり、辛い思いをするのは間違いないでしょう。
また入社してすぐに産休、育児休業をした場合、復帰してから仕事を覚えるのが大変だし、周りの目も痛かっただろうな~と思うとゾッとします。
働くことは好きだったのですが、妊娠のせいで仕事を辞めるハメになった…では我が子がかわいそうです。
なので内定が決まったタイミングで妊娠が発覚したことは、マイナスではなくプラスだったとポジティブに考えるようにしています。