「なんで大卒なのに工場勤務なの?」
「なんで高卒と一緒に働かないといけないの?」
一昔前は工場ライン勤務(ブルーカラー)といえば工業高校卒の18歳が新卒として入社して働き、大卒はホワイトカラーとして総合職、研究員、営業、事務として働くのが主流でした。
しかし最近は大卒の就職活動が厳しくなっており、50社受けても1つも内定しないこともあります。あなたも何度も不採用通知をもらったのではないでしょうか?
「このまま就活留年するのはマズイ、工場勤務でもいいから就職しよう」と言う感じで、文系とはかけ離れた業種に入った結果、あまりにもキツイので辞めたいと思うひとが増えています。
そこで今回は大卒の文系を卒業したものの、なかなか就活が上手く行かず、ブルーカラーとして工場勤務をした、20代男性Hさんの体験談をご紹介します。
もくじ
20代男性Hさん 転職前
【 地域 】関東地方
【業種・職業】金属加工業
【仕事内容 】アルミやステンレス塊をマシニングで削り製品を作る
【 年収 】300万円
【ボーナス 】20万円
【残業時間 】月10時間
【 休日 】月6日
職場は実家の近くの工業団地にある会社でした。
大学で就職活動をやっていましたがなかなか決まらず、「このままだとヤバい」と思い、試しに工業団地の会社を受けてみたら受かったので入社しました。
私は文系だったので高卒の人と一緒に工場勤務をすることに不安はありました。ただ思ったより先輩方が優しくて、順調に仕事は進んで行きました。
しかし一年ほどたった時に、私はこの仕事向いてないかもしれないと思うようになりました。というのもミスを連発していたからです。
穴をあける位置を間違ったり、削り方を間違えて品物をダメにしてしまったり。毎日のように何かしら失敗をしてしまい、悔しい日々が続いていました。
材料を加工する際にはまず図面を考えるのですが、その際に頭の中で上手くイメージできず、もどかしさと難しさは感じていました。
そんなある日に工場長に呼び出され、「お前は熱意はあるけど、この業界の仕事は向いていない」と言われました。
最初は慣れてないから仕方ないと思ってましたが、1年続けたにも関わらずまったく進歩がなかった。ぶっちゃけ技術も足りていないし、向いていないとは感じていました。
自分で組んだプログラムで機械を動かし、加工をする。そしてそれが形になり、納品をして実際に使われる。それがとても楽しく、やりがいを感じていました。
しかし、いくら楽しいからと言って続けていけるかというのとは話が別。周りにも迷惑をかけていたし、自分自身もこのまま続けられる自信がありませんでした。
なので、その日から色々と考え、この先ずっと工場勤務の作業員を続けていくのは難しいと思い退職をしました。
転職活動
求人の探し方についてですが転職サイトの利用&ハローワークに通い、二ヶ月ほどで内定が決まりました。
ハローワークに毎日のように通って最新求人をチェックしていました。履歴書を実際に書いて、これで大丈夫かという相談も何度もしました。
家ではパソコンの転職サイトで求人をチェックし、常に最新の求人があるかどうかチェックをしていました。
面接対策としてはハローワークの職員の方に相談しましたが、職員のやる気を感じなかったのと、指導が適当で不安を感じたので、最終的に転職エージェントを利用しました。
そのおかげで自分のダメなところや改善点が見つかり、自信を持つことが出来ました。ここだけの話し、転職エージェントは職探しというより、面接対策用に使ったようなモノですね。
一発合格できるほど甘くなく、採用試験に落ちることもありました。
筆記試験がなく、面接だけの企業にも落ちたことがあります。その理由を考えてみると、業界研究や会社のことをよく調べ切れていなかったと思います。
いま振り返ってみると再就職に焦っていたというのもあったかもしれません。
だから業界研究をするヒマがあったら、次々と受けようとなってたのかもしれません。
内定が決まったとき「これでやっとまた働ける」という嬉しさ、安堵感(あんどかん)がありました。
それと同時にハローワークに行くのもやめられるので、精神的にもとても楽になりました。やはり転職活動はストレスが溜まりますね。
退職時に上司ともめることはなく、親身になって今後のこと、退職に関しての処理についてドバイスをしてくれました。嬉しかったのと同時に、申し訳ない気持ちもわいてきました。
転職活動中に苦労したことですが精神的に辛かったのが一番大きいです。
良い会社があっても面接で落とされることがあったので、いつになったら内定が決まるのか焦る気持ちがありました。
あとは、どんな業界が私に向いているのかといった、業界探しも難しかったです。そのためにはまず自己分析をしたのですが、これもまた苦労しました。
転職サイトの自己分析などを使わないと、頭の中だけで考えても出てこないと痛感しました。最終的に向いてる仕事が見つかり、今の職場でやりがいを持って働けています。
転職後
【仕事内容 】事務員、電話対応、データ入力、書類送付など
【 年収 】300万円
【ボーナス 】20万円
【残業時間 】月10時間
【 休日 】月8日
転職した結果、給料・待遇面は今までと変わりませんでした。しかし勤務内容的には私にとてもあっていると思います。
なぜなら私はもともと文系なのでデスクワークがあっているからです。電話応対も最初は苦手でしたが、今では慣れました。
本当に転職してよかったです。
工場の仕事と違って、デスクワークなら続けられそうですし、自分のスキルを活かせると同時に、スキルアップの喜びも感じられるので、働いていて充実感を感じられます。
就職活動で内定が決まらない焦りから、「なんでもいいから職が欲しい」と焦り、四大卒なのに高卒が入るような工場ライン勤務の仕事を選んだのが間違いでした。
今回の転職活動を通して、仕事は適当に選ぶものではなく、自分に合っているモノを探して、そこで働くという事の大切さに気付きました。
大卒の工場勤務は負け組か?
ブルーカラーの工場勤務と言ってもピンキリで、トヨタ自動車・日産・ホンダ・新日本石油(JX)・関西電力などの大企業に大卒ホワイトカラーで入ろうと思うと、国立・有名私立じゃないと難しいです。
しかし大手企業の工場ライン勤務の場合、高卒・短大・Fラン大学でも就職することができ、下手な中小企業の管理職よりも高給取りになれます。
そう考えると「中小企業のホワイトカラー < 大企業の工場勤務」の方が給料・年収・福利厚生・社会的地位が高くなることがあるので勝ち組になることもあります。
ただブルーカラーの工場勤務の場合、大卒でも高卒と同じ仕事をしないといけないので、肉体的にはキツイですし「なんで大学まで出て、高卒と同じ仕事をやってるんだろう…」とミジメな気持ちなる可能性はあります。
あと「工場の三交替勤務は辛いし夜勤はキツイ」でも書いてますが、ブルーカラーだと夜勤があることが多く肉体的にはキツイです(大企業でもライン工は夜勤があります)
またわたしは工場勤務なのでわかるのですが、タバコを吸ってる人、パチンコ・スロットの話をしてる人、パズドラ・モンストなどの携帯ゲームをやってる同僚が多いように感じます。
ようするに知的レベルが大卒に比べると低くなるので、真面目なタイプの人だと「くだらない話ばかりしてるな…」と職場での会話が苦痛に感じる可能性はありますね(;’∀’)
このあたりを踏まえた上で大卒として工場勤務をするならOKですが、「う~ん…」と思うならホワイトカラーを選んだ方が良いです。すでにブルーカラーとして働いており、自分に合わないと思ってるなら転職した方が良いですね。
いま転職をする気がなくっても転職サイトに登録しておいた方が良いですよ。
なぜなら精神的ストレスで疲れがピークに達すると、転職サイトに登録する気力すらなくなるからです。
工場勤務の仕事は肉体労働ですし、同じことの繰り返しなので精神的にもやられるため、心の病になってしまう可能性もあります。
気になる求人情報をストックしておくだけでも「仕事を辞めるという選択肢」が出来るため、精神的ゆとりも生まれますし、過労で倒れる前に転職できるようになります。
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年を取ったら仕事を辞めたくても辞めれなくなります。ブルーカラーの仕事が大好きで一生続けたいなら話は別ですが、そうじゃないなら早めの行動をオススメしますヽ(´▽`)/